Cherry Audio Memorymode レビュー:同価格帯のシンセと差が出る場面・出ない場面
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同価格帯の定番ソフトシンセと比較検討する際、Cherry Audio Memorymodeがどのような音作りで真価を発揮するかが重要です。特に80年代のポリシンセサウンドを求めるDTMerにとって、その再現性と拡張性が制作にフィットするかどうかを判断する材料を提供します。この記事では、本製品の具体的なサウンドと機能、そして制作現場での実用性を深く掘り下げます。詳細スペックと購入ページは以下から確認できます。
まず音を確認したい方はこちら(試聴・購入ページ)
Cherry Audio Memorymodeのサウンドと機能
Cherry Audio Memorymodeは、クラシックなポリシンセのサウンドを再現しつつ、現代的な制作環境に合わせた機能拡張が施されたバーチャルアナログシンセです。レビュアーはまず、GUIのリサイズ機能やズーム機能、MIDIラーン機能の利便性に触れていました。特にMIDIラーンは、手持ちのコントローラーで素早くパラメーターをアサインできるため、音作りの効率を高める上で有効です。パッチライブラリアンには多数のプリセットが用意されており、音作りの出発点として活用できます。
音作りの核となるオシレーターセクションは、オリジナルのMinimoogとは異なり、鋸波、三角波、矩形波といった複数の波形をスタックして複雑なサウンドを生成できます。この波形スタック機能により、単一のオシレーターでは得られない厚みと倍音構成を持つサウンドを素早く構築できる点が特筆されます。ミキサーセクションでは、レベルを50%以上に設定すると意図的に歪みが加わり、倍音構成が変化する様子が視覚的にも確認できました。これにより、単なるレベル調整だけでなく、積極的なサウンドデザインの一部として歪みを活用できます。
パルス波のモジュレーションではLFOを適用し、スルーゼロ変調の挙動も確認されていました。オシレーター3は独立してLFOモードとして機能させることができ、キーボードコントロールをデタッチしてモジュレーションソースとして活用できます。さらに、オシレーター2はオシレーター1にシンク可能で、ハードシンク特有の鋭いリードサウンドや複雑なテクスチャを生み出す際に役立ちます。
フィルターセクションは、Minimoogと類似したキャラクターを持つラダーフィルターサウンドが特徴です。レビュアーはMinimoogとの比較において、レゾナンスを上げた際に低域が失われるというラダーフィルター特有の挙動を指摘していました。また、12dBスロープも搭載されており、よりマイルドなカットオフ特性を選択できるため、音作りの幅が広がります。
エンベロープには「Return to Zero」機能があり、キーを押すたびにアタックフェーズの最初に戻るため、スタッカートで演奏した際に常に同じアタック感を得られます。「Unconditional Console」モードでは、キーを離しても常にアタックフェーズの最後まで再生されるため、独特のサウンド表現が可能です。キーボードフォローやベロシティ対応も備えており、演奏表現に合わせたレスポンスを実現します。
モジュレーションセクションは、Prophet-5に似たシングルLFO構成です。複数のデスティネーションにルーティングできますが、モジュレーション量は全体で一つのノブで調整する点が特徴です。これにより、シンプルな操作で効果的なモジュレーションを適用できます。ボイスモジュレーション、いわゆるFMセクションでは、オシレーター3をモジュレーションソースとして使用します。レビュアーは、オリジナルのMinimoogのような「グリッスル感」は得られないものの、ボーカルエフェクトのような微妙な倍音付加や、LFOとして使用した場合にボイスごとに位相がずれることで生まれるユニークな効果を実演していました。
ユニゾンモードでは、モノフォニックとポリフォニックの両方でボイス数を調整(6、8、16ボイス)でき、厚みのあるサウンドを容易に作成できます。コードモードも搭載されており、単音でコードを演奏できるため、レイヤーサウンドの構築に便利です。リバーブ、エコー、アンサンブルといった内蔵エフェクトも搭載されており、これらは出音の空間処理や広がりを加える上で非常に実用的であると評価されていました。
DTMプロの本音 動画内では「オリジナルMinimoogのようなFMのグリッスル感は出ない」と述べられていました。しかし「ほとんどのソフトシンセが苦手とする部分なので、$39という価格では完璧ではないのも納得できる」というコメントもあり、価格を考慮した上での妥協点として捉えられていました。FM機能はプリセットではあまり使われていないものの、繊細なエフェクトには有効だと説明されていました。
メリット・デメリット
買うべき人
見送るべき人
上記に当てはまる方は、まずCherry Audio Memorymodeの公式ページで音を確認してみてください。
競合プラグインとの比較
本動画内では、Cherry Audio Memorymodeの機能やサウンドを評価する上で、いくつかの競合製品やオリジナルハードウェアとの比較が言及されていました。フィルターセクションについては、オリジナルMinimoogのフィルター特性と「全く同じようなキャラクター」を持つと評価されていましたが、レゾナンスを上げた際の「グリット感」や「ダーティーさ」はMinimoogほどではないと指摘されています。これはMemorymodeがポリシンセであるため、あえて過度にレゾナントな特性を避けた可能性も示唆されていました。
モジュレーションセクションについては、Prophet-5のLFOと類似しているものの、Memorymodeの方がデスティネーションが多く、より幅広い音作りが可能であると述べられています。しかし、Prophet-6のように複数のデスティネーションに個別のモジュレーション量を設定する機能は持たず、全体で一つのモジュレーション量ノブで調整する点が比較されていました。また、FMセクション(ボイスモジュレーション)に関しては、オリジナルのMinimoogのような「グリッスル感」は得られないものの、多くのソフトシンセが苦手とする部分であるため、$39という価格を考慮すれば許容範囲であるという見解が示されていました。
結論:Cherry Audio Memorymodeを買うべきタイミング
現場での即答シミュレーション 「2日納期のビートで最初にCherry Audio Memorymodeをロードするか?」という問いに対し、「Yes」と答えます。GUIの視認性が高く、オシレーターのスタック機能やミキサーの歪みで素早く太いサウンドを構築できる点が大きな理由です。特に80年代風のパッドやリードシンセを求める場合、プリセットからの調整も容易で、サウンドの方向性を素早く定められるため、納期が短い案件でも安心して使用できます。$39という価格はバーチャルアナログシンセの低価格帯に位置し、その出音の太さや機能性を考慮すると導入のハードルは低いと言えます。
現場で使わない状況の明示 特定のヴィンテージ機材にしかない独特の「グリッスル感」を厳密に再現する必要がある案件や、モジュレーションデスティネーションごとに個別のモジュレーション量を細かく設定したい複雑な音作りの際には、他のシンセを選択するでしょう。
最終判断文 クラシックなポリシンセサウンドを現代的なワークフローで迅速に作り込む現場では手放せない存在となるでしょうが、特定のヴィンテージアナログシンセの癖や複雑なモジュレーションルーティングが必須の現場では出番がないかもしれません。自分の制作スタイルと求める音像の比率で判断してほしいです。



